– 軽井沢の住宅建築 自己プラン2 –
ご訪問いただきありがとうございます。
2019年に、長野県、軽井沢町に移住した“ぐじ”と申します。
vol.3に続き、建築業者を決定した経緯のお話しです。
<スキップフロア案とコンパクト案>
さて、住宅メーカーの提案にどうもしっくりこなかったため、自分でプランを考えてしまったわけですが、さすがにすべての案を業者さんに検討してもらうのは難しく、ベースとする案を自分でしぼることにしました。
そこで、あーでもない、こーでもないと考えた結果、最終2案に絞りました。
1つ目は、vol.3の「2.スキップフロア案(約83㎡/25坪)」です。
まずこれを選んだ理由は、土地の個性を活かしたダイナミックな空間と特徴的な外観が両立できること。予算的には私が考えたプランでおそらくコストがかかるであろう案として選びました。
2つ目は、vol.3の「6.コンパクト案(約81㎡/25坪)」です。
こちらは、床面積を極力縮小し、かつ総2階建にした正方形のコンパクトな案のため、コスト的に最も有利な案として選びました。
そして、このコストが高そうなものと低そうなものの2案で検討してもらえれば、他の案はコスト的にこの2つの中間となるため、いずれの案にもコストについての目安になると考えました。
<コンパクト案の意味>
コンパクト案について少し補足しておきたいと思います。正方形の家は、コスト以外にも躯体構造上メリットがあると聞いていましたが、私がもっとも気に入っていた点は、それが、ある意味軽井沢らしい建築なのではないかということです。
軽井沢らしさとは何か?、そこに建つ建物はどうあるべきか?、ということを、その頃、私は自分なりに考えていました。
私が考える軽井沢らしさを端的に言えば、その根幹は「質素である」ということではないかと思います。
軽井沢は、聖職者により発見され発展したわけですが、その「清貧」という理念から生まれたのが初期の小さく素朴な別荘建築群であり、ウイリアム・メリル・ヴォーリズが自身と家族のために建てた「九尺二間の山荘」であり、吉村順三の「軽井沢の山荘」という捉え方です。
ヴォーリズは、大正13年8月号の「主婦の友」で、「簡単な別荘の設計と其の生活法」と題し、「避暑地に大きな家より便利な家を、見せびらかすような建物より簡素な家を」と記し、自然の中で心身を休息させる価値を述べています。
引用元:一粒社ヴォーリズ建築事務所ホームページ九尺二間の山荘(旧ヴォーリズ山荘) | 一粒社ヴォーリズ建築事務所九尺二間の山荘(旧ヴォーリズ山荘) 1920年竣工 設計監理 ヴォーリズ建築事務所 ヴォーリズは「簡単な別荘の設計と其の生活法」と題し、避暑地に大きな家より便利な家を、見せびらかすような建物より簡素な家をと述べました。
また吉村順三は自身の山荘について、「山荘は、贅を尽くした建物である必要はなく、ごく私的な生活を楽しむ場でよいと思います。自然とともにあることが感じられる、質素で気持ちの良い場であること。この山荘に私が求めたのはそれだけです」と「小さな森の家」の中で記しています。
引用元:吉村順三, 1996,『小さな森の家』, 株式会社 建築資料研究社, P84
この偉大な建築家お2人の言われていることは、内容も極めて近いですし、軽井沢での住み方の本質のように感じます。
さらに言えば、両氏ともその建築を上から見ると、どちらも正方形。自然の中で、質素な暮らしを極めると正方形ということなのか!? そう言えば、鴨長明の方丈庵も正方形ではないか!?
この流れの上に、自分の家も置くのはどうか?と考えたわけです。加えて自分の予算がないことが、質素というコンセプトに繋がるとも思いました。だいぶ都合のよい解釈ですが・・。
<B社に検討をしてもらう>
さて、2案に絞ったところで、まずB社に検討をお願いしました。B社はこれまでの対応から信頼感があり、実際に見せていただいた住宅も施主のことを考えた工夫が多いと感じたためです。
早速B社に自分が考えているプランを説明したところ、「これは可能です」という話になり、両方の案をベースに建築可能なプランを考えてくれました。
また打ち合わせの際、クルマのアプローチは敷地の等高線にそった無理のないもので統一しました。当初土地を見て予想していたものと同じですが、カーブを持ったアプローチは、直線よりも味わいがあると思いました。
そしてこれがB社が実際に考えてくれたスキップフロア案です。
「おー、これは!」。いただいたプランは、ほぼ私が考えた通りにできていて、胸が高鳴りました。スキップフロアの特徴や多用したロフトとの組み合わせなども実現できていました。
外観も奇抜ではないが個性があり、思い描いたイメージが実現できそうでした。またスキップフロアのため、コンクリートの基礎高が抑えられてるので土地に馴染んでおり、それも狙い通りでした。
ただし述べ床面積だけは83㎡から102㎡に変更されていました。この間取りを実現しようとすると、どうしても敷地面積が大きくなるそうです。
またそのため、5mの道路後退条件を町に緩和してもらう必要があるそうです。B社は軽井沢で多くの建築実績があり、過去の経験からするとおそらく可能とのことでした。
さて次はもうひとつのコンパクト案の方です。
こちらのコンパクト案の方ですが、正方形がうまく建築後退条件を入れた敷地の中にハマりました。床面積を極力小さくしたことが良かったようです。
正方形というのは、例えば壁面に絵を飾るといった際にもバランスよく周りに馴染みますが、平面構成的に、敷地の中に建物を置く場合も同様にレイアウトしやすく感じました。
– 軽井沢の住宅建築 自己プラン3 –
<スキップフロア案は豪邸だった・・>
建築プランはできたものの、ここで大きな問題が出てきました。まずスキップフロア案ですが、ざっと見積もっても、当初予算オーバーしていたB社の提案プランよりも、さらに1,000万円ほど余計に予算がかかるということです。
「はぁーーー、プラス1,000万!」気に入って妄想が膨らんでいたプランでしたが、夢の風船が轟音とともにこっぱみじんに炸裂しました。ぐうの音も出ません。この案は私には豪邸ということでした。
もう1つのコンパクト案ですが、こちらは狙い通り、建築そのものは、何とか予算に収まりそうでした。しかしながら問題は、駐車場やアプローチなどを造成すると、多額の予算が追加になるため、結果として全体ではやはり予算オーバーとなってしまうという結論でした。
対策としては、吹き抜けやロフトをやめるなど、建築費をさらに抑える工夫が必須と思いました。
そのため、一旦B社の検討は保留にして、同様の考え方で他のメーカーはどうなのか、あたってみることにしました。
<D社との打合せ>
他のメーカーですが、A社への依頼をやめたため、新しくD社にコンタクトをしました。D社は信州で有名な大手住宅メーカーで、後ほど述べる宿泊体験をした際に打ち合わせをまずさせていただきました。
そこでの打合せ結果を簡潔にお話しすると以下のようになります。
まずスキップフロア案ですが、建築そのもは可能だが、敷地の建築可能ラインを超えてしまうため、D社では基本的に建築不可ということでした。B社は町に条件の緩和を依頼できるという話でしたが、建築業社により考え方がずいぶん違うものだと思いました。
次にコンパクト案ですが、こちらについては2階に浴室を設けることをD社は行っていないという説明がありました。理由は水漏れがあった場合に補償ができないということで、これまで施主ともめた経験から社内の取り決めだそうです。
ん〜、これは小さいことのようですが、私にとっては大問題でした。間取りの構成上、1階に浴室、水回りを設けると、もともと小さい家なので、玄関のバイク収納や広いリビングが実現できなくなってしまいます。
ここまで話を聞いていて感じたのは、D社は信州で有名な大手住宅メーカーのため、完成後の補償に重点を置いており、安心な反面、小回りが効きにくい特徴があるということです。
建築業社によって、本当に考え方が違うものです。
結論として、いずれにしてもD社への委託は難しいと判断しました。
<C社のプラン>
次はC社のプランとなります。
これまでのいきさつから、スキップフロア案はコストと敷地の問題で、もはや不可能とあきらめ(とほほ・・)、C社にはコンパクト案のみの検討を依頼しました。
結果C社もB社同様、ほぼ私の原案通りに建築が可能という話でした。
以下C社のプランです。
さてこのC社のプランですが、コスト的にはB社と同様でした。これはつまり、私にとっては造成分の予算がないということになります・・。
どの建築業社にお願いしてもコストはあまり変わらないことが分かったため、これからは家の仕様を落とすことを本格的に検討しなければならないと、いよいよもって覚悟しました(涙)。
<住宅メーカーが建てた家を見学する>
プランの検討を各社にしてもらいながら、最終的にどこかに決定しなければならないため、並行して各社が建てた実際の住宅を見せてもらうことにしました。
住宅展示場のようなモデルハウスを持つのは、D社1社しかありませんでしたが、ここは先に述べたように体験宿泊ができたため、実際に泊まってみました。特に家の暖かさを体感したかったのと、薪ストーブについて体験をしてみたかったことがあります。
日中その家に到着し、家の特徴などを説明いただき、その後、前述したように担当者と私のプランについてまず打ち合わせを行いました。
ここは信州で大手の住宅メーカーなので、私のプラン以外にも、コスト的に有利な企画型住宅も扱っています。ただし私の敷地の場合、上物は統一規格でも基礎部分に予算がかかるため、間取りの制限がありながら、総予算は極端に下がらないということが分かり、企画型住宅も私には無理そうでした。
さて前述したように、このハウスメーカーとの打ち合わせ結果は、簡単に言うと打ちのめされたわけですが、ひとまずこの住宅メーカーの標準仕様であるモデルハウスをその日はじっくり体験することにしました。この家の特徴は、暖房に床下エアコンを採用していることがあります。薪ストーブを焚く前でしたが、たった一機のエアコンで冬場こんなに家が暖かいのかと驚きました。
薪ストーブについては、まったくの初体験だったのですが、その暖かさと雰囲気にまず魅了されました。一方で焚き方が下手なせいもあると思いますが、薪は意外と早く燃えるのだなと思いました。また火の粉や灰の処理に気を使いそうだと感じました。
悠々自適の生活であれば、薪ストーブを維持管理していくのは、楽しみの面も大いにあると思うのですが、仕事で東京に出歩きながら、1人で薪ストーブを維持していくのは、火の始末のこともあり、これはなかなか大変ではないかと思いました。
この経験から、薪ストーブはあるに越したことはないが、それに暖房を頼らないこと、またすぐに導入する必要はなく、「うん、マストではなくオプション扱いにしよう」、という考えに行きつきました。薪ストーブの導入コストは100万円前後ですが、そこまでせっぱつまった状態だったということです。
続いて他の建築会社の別荘もいくつか見せていただきました。
訪ねたメーカーごとに特徴があり興味深かったのですが、そこで学んだこと、気がついたことをまとめると以下のようになります。
1. 家の外壁は断然総天然木板張り
家の外観の印象を決定づける外壁の仕様ですが、一般的な工法を大きく分類すると、塗り壁や吹き付け壁等によるスタッコ仕上げと、ガルバリウムなどの金属板、窯業型サイディング材や天然木板による貼り仕上げに分けることができます。横浜の家はスタッコ仕上げでしたが、これは当時窯業型サイディングが主流の中、ヨーロッパの住宅的なこだわりを持つ仕上げでした。
最近の住宅は、スタッコ仕上げもだいぶ増えましたが、ガルバリウムに一部天然木板を使うのが全国的にローコスト住宅のトレンドのように思えます。軽井沢でも小ぶりな新築住宅でよく見かけます。
一方、軽井沢の歴史的な建築は、個人住宅も公共施設も天然木板張りが標準です。さすがに南京下見貼りのベンガラ仕上げまでは、現代においてまねできませんが、軽井沢らしい家を理想とする自分としては、年月が経つとより自然に馴染んでいく総天然木板張りは、例えコストがかかっても、後から追加検討できるようなものではないため、絶対に外せないと考えました。
またその際に、地産地消で長野県産のカラマツ材を使えないかと思いました。
2. 自然の中の窓の開け方
吉村順三建築では、よく風景を大きく切り取る窓が特徴にあげられます。「軽井沢の山荘」でも空中に浮かんだ印象を醸し出す大開口の横長の窓が有名ですが、その影響を受けた建築家の方々も、窓による風景の切り取りを重要なこととしています。
書籍では、そういった記述を理解していたつもりですが、今回建築メーカーが見せてくれた別荘の中にすばらしい窓があり、ハタと膝を打ちました。
その窓は、それほど大きくなく、縦120cm、横60cmくらいだったでしょうか、縦長の形でした。
その程度のサイズなので、別に大開口でもなく、浅間山が見えるわけでもなく、一見どうということはないので、普通何も感じず通り過ぎてしまうような窓だったと思います。
しかしその窓を見た時に、私はびっくりしました。
その小さな窓が切り取っていたのは、冬の広葉樹の林でした。樹木というと、見どころは葉っぱのついた枝先のように思いがちですが、その窓が切り取っていたのは、縦長に並ぶ大きな広葉樹、ミズナラの幹の表皮と、沢山の広葉樹が奥行きを感じさせながら残雪に並び立つ姿でした。
その美しさに見入ってしまいました。こんな小さな窓で、このような風景の切り取りができるのか!
山の自然木は葉が日光を確保するため、幹が長く伸びます。その幹がこんなにも表情豊かなのか、そのために縦長の窓なのか、といったことが自分には思いもよらないことでした。
窓の大きさではなく、自然のどこに着目し、どのように風景を切り取るのか。特に周りに樹木が立ち並ぶ場所では、これがいかに重要であるかを一瞬で理解させられました。
「気が付かれましたか?」と設計者兼、営業の担当者が声をかけてきました。話によると最初オーナーはここに窓を開けるのを、しぶっていたそうです。しかし実際に開けてみると、オーナーは1人用のソファーを用意し、いつもここにいるお気に入りの場所になっているそうです。その気持ちがよく分かりました。おそらく四季を通じて、その変化を美しく捉えることができる窓なのだと思いました。
3. あなどれないキツツキ
キツツキは、よくかわいい鳥として童話やイラストなどで表現されます。しかし住宅にとっては、どうもとんでもない鳥のようです。特に木張りの家にとっては大敵とのことです。
見せてもらった家の中に、軒天に板を貼っていないものがありました。説明によるとキツツキ対策ということでした。
注)軒天とは家外部の屋根の張り出しの裏面(下を向いている天井のような面)を言います。
キツツキは突いて音が大きい場所に穴を開けるということで、とても留まりにくそうな軒天ですが、好んで穴を開けるそうです。
板張りにするなら自分も気をつけなければ、と大変勉強になったのですが、これが後に自分の家で起きるとは・・・。
キツツキを甘く見た結果は、家が完成した後の話で詳しくお話しします。いやはや・・・。
<建築家に検討依頼してみる>
その頃、「SUVACO」というサイトを通じ、建築会社ではなく、建築家の方を紹介してもらいました。
軽井沢に拠点がある若い建築家の方でしたが、これまでの作品が私の希望する感覚に近く、リフォームもやられているため、予算がない私でも依頼することに親近感がありました。
その建築家の方とは、初めに現場近くのカフェでお会いして、打ち合わせをさせていただきました。建築家 堀部安嗣さんの勉強会にも参加されている方で、住宅建築の話で盛り上がりました。
打ち合わせの後は、実際に私の土地を見に行きました。その際に、「ここは明るくて良い土地ですね。三角形なのは何の問題にもならないですよ」と専門家の方に言われ、この土地を購入してよかったと胸をなでおろしました。
その後、私がたまたま発見した一般に知られていない吉村順三建築などを、外観のみですが一緒に見学に行きました。建築家の方は外からの考察だけで、建築所作の特徴などを言い当て、やはりプロは見るポイントが違うと感じました。その方からは高崎にある建築家 アントニン・レーモンドの自邸を模した旧井上房一郎邸の話などを伺いましたが、とても興味深く、その後何度か実際に見学に行きました。
この建築家の方とは、やり取りをさせていただきながら、住宅に対する好みや家づくりの方向性が同じと確信し、有償となるものの、ぜひプランをお願いすることにしました。
その際に、失礼にあたるかなと思ったのですが、イメージを伝えるため、私が考えたコンパクト案をお見せしました。建築の好みが一致していたので、おそらく気持ちをわかっていただけると感じたためです。
その方とは、その後もメールベースでしたが、有名な吉村順三建築である「カニングハムハウス」の詳細の作法や、中村好文氏の書籍の内容などの情報交換をしながら、ずいぶんと建築の勉強をさせていただきました。
<建築家のプラン>
しばらくして建築プランをいただきました。この建築家の方のこだわりは、堀部安嗣さんの教えから、まずプランは手描き、竹定規を使う、尺基準、というすばらしいもので、手描き世代の私のようなデザイナーには、しびれるものでした。
さてそのプランは、私のコンパクト案を尊重していただいた外観だったのですが、空間の構成はだいぶ異なっていました。
私は、小さな家なので、空間をできるだけ大きくしたいと考えていましたが、いただいたプランは、考え方が異なっていました。まず上から見ると基本は正方形に近いのですが、家の中央に、正方形の折り返し階段が置かれていました。
またその階段の横は吹き抜けになっており、1階のリビングから2階に広がりを持たせてありました。さらにその吹き抜けの1階に薪ストーブが設置してあり、2階まで煙突が室内で伸びる形になっています。
まずは、プランだけメールで送られてきて、説明は一切なかったのですが、真ん中に階段室を置いてしまうと、吹き抜けはあるものの平面的には広がりのない狭い間取りに感じられ、広さがほしい自分の希望とは少し違うかな?と思いました。
しかしその手描きの図をよく読み込み、立体として想像してみた時に、そのすごさに気がつきました。
まず一見狭いと感じた各部屋やコーナーの扱いですが、それぞれの場所の使い方がよく考えられており、各コーナーの空間の質といったものがとても高く思えました。特に要望したパソコン机がくの字型に設定してあり、しかも机の木の質感まで伝わってくるようなエスキースで、これは見事と思いました。
また階段と吹き抜けの関係も、オープン階段を隣接することにより、吹き抜けの効果が上がり、この吹き抜けとオープン階段の空間が、家の広がりの中心という捉え方なのだということに気がつきました。
これはさすがにプロの仕事だと感じました。私ではとても考えつくようなものではありません。
このことを正直に伝えると、「階段が中心にある意味、くの字のデスクなど、私の思う意図を読みこんでいただき、ありがとうございます。小さな家なので、間仕切りを設けることを空間としては考えていません。しかし、空間がただ広いだけでは居心地が生まれませんので、ゆるやかに居場所を仕切ることを考えてまとめています。階段、薪ストーブ背面の腰壁、キッチンの腰壁までの食器棚、吹き抜けなどで空間を操作しています。視線もなるべく外に抜けるようにし(”く”の字もデスクもそうですが)実寸以上に空間を大きく感じることができればと思います」と追って説明をいただきました。
これはもう「んー、おそれいりました!」と唸るばかりです。
加えて「そうか! 空間がただ広いだけでは居心地が生まれないのか!」と衝撃を受けました。
その後、家の向きを少し振るとか、窓の位置やサイズなどを少し変更すること、バイクを玄関に持ってくる導線など、多少の要望を出させていただきました。
<建築家のプランを断念>
このように心底気に入っていた建築家の方のプランですが、最終的には残念ながら、あきらめざるを得ませんでした。
理由はやはり建築コストでした。
ただしこの建築家の方の見積りが高いということではなく、駐車場やアプローチの造成までしなくてはならないため、基本的に私の予算不足ということです。
すごく気に入っていたプランなので、今でもこのプランで家を建てたらどうなっていたか、と想像することもあります。
建築家の方には、プラン作成までの料金をお支払いし、これまでのやりとりのお礼や、「今後この土地に、もしコルビジェのカップ・マルタンの休暇小屋のような小さな家が建っていたら、お気軽に遊びにきてください」ということを伝えました。
さあ、本当に家づくりはできるのか?
5. 軽井沢移住 Vol.5に続く。